「話し合っても、なぜか決まらない会議」——経営判断に潜む“主観の罠”をどう超えるか?
- 羽田 宜弘
- 5月5日
- 読了時間: 3分
■言語化とは“話し方”ではなく“思考そのもの”

話し合っても、なぜか決まらない会議とは
先日、wayslinksでは、「統計思考と経営判断」をテーマに、ある勉強会を開催しました。印象的だったのは、ある進行役とコメンテーターによる対話でした。
「言語化って、ただの話し方じゃないんですよ」
「えっ、じゃあ何なんですか?」
「“考える”というプロセスそのものなんです」
会話は続きます。
「つまり、言葉にする時点で、思考はもう終わってる状態なんです」
「なるほど。じゃあ、本当に大事なのは“言葉にする前”の頭の中だと…」
この視点に、参加者の多くがハッとした表情を浮かべました。なぜなら、多くのビジネスパーソンが“話せること”と“考えていること”を同義にしてしまっているからです。
■人は「自分が何を求めているのか」を意外とわかっていない
勉強会で紹介された事例には、こんな問いもありました。
「あなたが本当に欲しいものって、何ですか?」
この問いに、明確に答えられる人は案外少ない。服選びに迷うのも、キャリアの軸がブレるのも、理由は同じです。**人は自分の内面すら“うまく言語化できない”**のです。
これこそが、私たちが「ロジカルに見えて、非論理的な意思決定」をしてしまう根本原因です。
■“現実”と“解釈”を混同すると、意思決定を誤る

「私は全然食べてないのに太る」
「毎日頑張ってるのに評価されない」
こうした感覚は、R’=“解釈された現実”であり、R=“事実”とは別物です。
「最も厳密な言語化は、数字なんです」
この言葉が示すように、私たちは数字というフィルターを通して初めて現実を客観的に捉えることができます。そしてそれこそが、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの原点なのです。
■桶理論と変数集中の戦略思考
話は戦略に移ります。
「桶の水は、一番短い板までしか溜まらない。つまり、成果は“最も弱い部分”で決まる」
強みを活かすより、ボトルネックの克服の方が効果的な場面は多いのです。
さらに、もう一つ重要な概念。
「変えられない“定数”に悩むより、変えられる“変数”に集中しよう」
これがまさに、戦略的経営の真髄です。
■統計思考は「人生をイージーモード化するOS」
「統計思考を身につけると、判断の精度が上がり、優先順位が明確になり、無駄な意思決定をしなくて済むようになります」
それは、**人生における「選択と集中」**を可能にする。
会議が短くなり、仕事の本質が見え、キャリアや人間関係、資産形成にまで影響を及ぼす——。
それが、ロジカルシンキング × 統計的視点の威力なのです。
■会議を「話す場」から「考える場」へ
私たちwaysLinksでは、統計的思考と論理的言語化をベースに、次のような課題を持つ学校や企業様をサポートしています:
「何となく」で意思決定がされてしまう
会議のたびに結論が出ない
データはあるが活用されていない
論理的思考を組織文化にしたい
これらに対し、私たちは「思考のOSインストール」をコンセプトに、意思決定の質を高める研修・ワークショップ・伴走支援を提供しています。
■カラフルワーカーへの問いかけ
「今、自分が確かだと思っていること。その中に、“主観の罠”は混ざっていませんか?」
「変えられる“変数”に、あなたの資源は集中していますか?」
この問いが、あなたの経営と人生の戦略設計を一歩先へと導くきっかけになれば幸いです。
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